タイ・プーケット島在住。タイならではの出来事や日々の体験、個人的な思い出などを書きとめています。


by phuketbreakpoint
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大惨事だ!

パトンビーチに吹き荒れる海風が ピタリと止まり、猛烈な暑さが続く2月下旬になると、いつも思い出す出来事があります。

1993年2月。
私は生まれたばかりの、あきおと、なおこの出生届を出すためにバンコクを訪れていました。
ソイ・アソックにある日本大使館領事部で必要書類を提出し、その後はワールド・トレード・センターに向かう予定でした。

「オレも、とうとうパパになっちゃったんだなあ・・・」
そんなことを考えながら歩いていると、お尻のあたりがムズムズともよおしてきました。
さて、どうしたものか。誰にも聞かれないように、ソーっとやるのが、もちろん一般的ですが、歩きながらというのは、ちょっと難しいようにも思えます。
立ち止まって、他の通行人たちの目を気にしながらやるというのも、やはり不自然で逆に目立ってしまいます。
「ここは行き交う車の騒音でカムフラージュさせ、溜まっているものを一気に外に送り出してしまう方が得策じゃあないか」
私は、あまり迷うこともなく、この方法を選びました。

まずは後方確認。
人が歩いていますが、その距離8-10メートル。微妙な状況です。
「ここで、やってしまうべきか」
ちょっと考えましたが、
「まあ、バンコクの喧騒の中で少しくらい変な音が混じっていたとしても、誰もおかしいとは思わないだろう」
そう思い、私は実行しました。しかし、ここで、思わぬ大誤算が・・・。

みなさんも、ソーっと出そうとしたとき、一緒に水っぽいのがチョロリと出てきてしまって、慌てて、お尻の穴をすぼめ直したことってありませんか?
わたしは、何回も、何回も、あるんですが・・・。
でも、わたしの経験から言わせてもらえば、出てきたものがチョロリ程度だった場合、何食わぬ顔して トイレに行き、そこで応急処置をすれば、近くに人がいても、ごまかすことは可能です。
しかし、この時は、ソーっと出そうとはしませんでしたから、かなり勢いよく出て来てしまいました。いまだに、このとき、どのくらい出たのかは、はっきりしませんが、右モモの内側から足首に向かって、生暖かい液体が、ツーっと一筋の流れになって落ちて行ったあの感触を、私は忘れることができません。
悪いときには悪いことが重なるものです。私は、このとき黒っぽいサッカーパンツを履いていて、この「ツーっ」が外から丸見えの状態に・・・。

「うわっ・・・、何だこれ・・・、どっ、どうしよう・・・」
私は足を止め、誰も背後に廻ってこれないように商店に背を向け、近くの通行人をやり過ごしました。そして、お店の中からも見られないように死角になるポジションに向かって、カニのように平行移動します。
さらに、不自然な動きを周りの人から変に思われてはいけない、と手に持っていたバス路線地図で、何かを探しているフリもしてみました。
すると、こういうときに限って、おせっかいな人が寄ってきてしまうんですねえ。
「何探してるんです?」
ほっといて下さいよ、今大ピンチなんですから。わたしは、持っていたカバンの中からティッシュを取り出し、人が通らない隙をついて、この「ツーっ」を拭き取り、パンツの後部も外から拭いておきました。

さて問題はここからです。どうやって、カオザンの安宿まで戻るべきでしょうか。
直接帰るのは無理と判断した私は、どこでもいいからトイレに駆け込み、状況確認したうえで、可能な範囲内でこれを処理してしまおうと考えました。当時日本大使館領事部は来訪者にトイレを開放していませんでしたから、どこか別の場所を探さねばなりません。
ここで一句、
<ビジターに、ウンコもさせない、大使館>

私が選んだ場所は、シーロム ・ロードにあるシーロム・タワーでした。ここなら場所の割にあまり人もいませんし、トイレの場所も分かっていますから、すんなり自分だけのプライベート・スペースを確保できるという判断です。
バンコクの照り付ける太陽の下 、ウンコパンツと共に、私は猛スピードで歩き始めました。この時のスピードは、素人離れしていたと思います。
約一時間後、足がパンパンになりながらシーロム・タワーに到着しました(それにしても、なんで、あんなに遠くのビルを選んでしまったのでしょうか)。
私の予想どおり、トイレはガラガラです。私は、ほっとひと安心して中に入り、鍵をかけました。
パンツを降ろしてみると、意外にも、被害は小規模でした。ここまでの道のりが長かったために乾燥してしまったのかもしれません。

必死の作業が終わり、少し自信を取り戻した私は、再びビルの外へ出ていきました。
しかし、それでも問題解決とはいきません。いくら処理したとはいえ、臭いは、まだ残っている筈です。
「この状態で、どうやって、カオザンまで戻るべきか・・・」
思案の末、私はタイムリーにやって来た15番バスに大胆にも乗り込みました。考えていた事は一つです。
「私の臭い付きパンツを、座っている人の鼻先には、絶対に近づけちゃあダメだ」
しかし、バスが停留所を一つ、二つと過ぎていくうちに、新しいお客さんがどんどん乗り込んできます。
「オレを押しちゃあ、ダメだっつうの」
私は、押し出されるようにアベックの学生が座っている席の真ん前に流されてしまいました。まさに最悪のポジションです。観念した私は乗客を掻き分けるようにバスを降りました。やっぱり、歩くしかないようですね。

その後は、地図を片手に、とぼとぼとカオザンに向かって、ひたすら、ひたすら歩いていきました。長い、長い道のりでした。歩くこと約50分、遂にカオザンの入り口にある民主記念塔が私の目に入ってきます。事件の勃発から二時間余り、孤独な戦いを続けてきましたが、これでようやく開放されるようです。
私は涙と共に(心の中で)絶叫していました。
「ウ〇コよ、見よ!あれがカオザンの灯だ!」

私は20代の頃、ピチピチの白ジーンズにTシャツ,皮ジャンといういでたちで粋がっていたのですが、30代に入り、さすがに、そういう格好は自粛していました。
あの日、あの時、 履いていたパンツが白でなくて本当によかった!
もし白だったら・・・。考えただけでも、ゾッとします。
みなさん、白パンなんて履いて、カッコ付けてたら、大変なことになりますよ。
白パンだけは、やめましょう。最後に忠告しておきます。
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by phuketbreakpoint | 2005-09-07 13:50