タイ・プーケット島在住。タイならではの出来事や日々の体験、個人的な思い出などを書きとめています。


by phuketbreakpoint
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<   2008年 11月 ( 3 )   > この月の画像一覧

鬼刑事アカラポーン

「ボス、警察が来ました」
ティックが携帯で連絡を入れた約15分後、パトンの警察署から捜査官がやって来ました。例によって、暑っ苦しい、こげ茶色のユニフォームで現れるかと思っていたら、まったくの普段着です。
真っ黄色のレインコートに、ジーンズという、およそ警察官らしくない、いでたちでした。見せてくれた身分証には、アカラポーンと、名前が入っています。
「じゃあ、さっそく、映像を見せてくれるかな」
私とティックは、アカラポーンさんを、防犯ビデオの置いてある二階に案内しましたが、彼は、手ぶらでやってきたようで、モザイクバスターらしき機械は持っていませんでした。
(肉眼で見るだけなのか。それじゃあ、来た意味がないんじゃないか?)
そう思いつつも、私は、モニターで再生し始めました。
「犯行時刻は、だいたい、午後5時から、7時半の間です。とりあえず、5時から回していきますよ」
再生速度を4倍に設定し、画面を流していくと、モニターには様々な人物が、現れては消えていきます。

ティックが、ドリンクを作る。
ウーティットが、机に近づく。これは、CDの入れ替えか。
クックが来た。何か、やっている。水道で洗い物。出て行く。
ミャオも、来た。水を飲む。出て行く。
また、クックが入る。何か、やっている。そして出て行く。
ファランの客が二人。キューを選んでいる。出て行く。また、入る。

人物こそ、特定できますが、これでは先程と同じで、決め手がありません。
ところが、見始めて、5分ほどした頃です。
「はい、ちょっと、スローにして・・・」
アカラポーン刑事が私に命じました。モヤモヤとした画面の中に、クックが、また入ってきます。
「彼女は?」
「スタッフの女の子です」
私が答えると、
「彼女だよ、犯人は」
彼は、アッサリと断定しました。画面上のクックは、確かに怪しげな動きでしたが、乱れた画像の中では、何をやっているのか、よくわかりません。

アカラポーン刑事は解説します。
「ほら、カバン持ってるだろ。このシーソム(橙色)のところ」
そう言われて、画面を食い入るように見てみると、確かに、モザイクの一部が、そう見えなくもありません。
「間違いない。こいつだ」
私が画面を早送りして、先を見ようとすると、
「マイ・トング(その必要はない)。彼女で間違いない。よし、尋問だ」
彼は、そう言うと、さっさと階段を下りていってしまいました。私も、彼女が怪しいとは思っていましたが、こんなんで逮捕できちゃうのでしょうか?

「彼女が、あのスタッフですけど・・・」
私が彼に、そう教えると、この人は、前置きを、いっさい挟まず、単刀直入に切り込みました。
「犯人は、キミだろ」
テレビや映画の刑事物、推理物なら、ホシの目星が付いている場合でも、一応、遠まわしな質問をして、矛盾点を突いたりするわけですが、彼には、確信があったようです。
「チャン・メダイ・タム(私は、やってません)」
クックは、弱々しい声で否定していましたが、アカラポーン刑事の次の一言で、早くも追い詰められてしまいます。
「じゃあ、身体検査しようか」
「・・・・・・・・」
彼女は、返事ができません。
「どうした?」
「・・・・・・・・私じゃ、ありません」
ますます、か細い声になってしまった、クックに対して、
「だったら、ボディーチェックだ。一緒に、署まで行こう」
「・・・・・・・・・」
遂に観念した彼女は、
「すいません・・・・・。私が、やりました・・・・」
犯行を、すべて自供しました。

札束は、ブラジャーの中に隠し、近くのコンビニに整理ナプキンを買いに行ったついでに、財布は袋に入れて、ゴミ箱に捨て、証拠を隠滅し、自分も被害者だと言い張って、疑惑の目を逸らす。
根っから悪い人間というのは、そうはいないものですが、彼女の場合は、こういったことを、子どもの頃から、ずっと繰り返して、育ってきたのではないでしょうか。あの表情と目付きは、かなり、訳ありの人生を、歩んできたであろうことを、はっきりと物語っていました。

つくづく、「犯罪慣れした奴だ」と思ったのは、犯行がバレて、みんなのド顰蹙を買っている状況で、
「携帯電話を預けるから、3000バーツ貸してくれませんか?」
しゃあしゃあと、こんなことを言い出し、ティックに断られ、刑事さんにも断られ、最後には、私にも聞いてきました。どういう神経をしているんでしょうか。

この刑事さん、見かけは、パッとしませんが、なかなかの、やり手です。モザイクの奥で、15秒ほど彼女の動きを見ただけで、もう的を絞っていましたから、これが、刑事の勘というやつなのでしょうか。
見事、犯人を逮捕したアカラポーン刑事でしたが、ここからが、タイ警察の真骨頂です。
「ところで、えーっと、ティックだったな。キミは、彼女を訴えて、裁判するのかね」
私は一瞬、
「きたー!!」
と思いましたが、これは驚くべきことではありません。タイでは、後々仕返しされるのがいやで、被害者が訴えないまま、犯人が釈放されるケースが多く、警察にとっても、立件して裁判に持ち込んだりしたら、後が大変ですから、お金にもならいことで、ダラダラと時間を食われるのが嫌なのでしょう。

「私は、別に・・・」
ティックが、そう言うと、彼は振り返って、私に向かって、
「ボスは、どうする?」
と聞いてきます。本来なら、こういった人には、再犯を防止するためにも、しばらくの間、チュワン(ブレイクポイントのコックさん。現在服役中)と同じ屋根の下で、生活してもらった方がよいのですが、私も面倒臭かったので、ついつい、
「刑事さんに、お任せします」
と言ってしまいました。

こうして事件は解決し、お金と財布は無事ティックのもとに戻って、クックも逮捕されることなしに、どこかに消えていきました。
「刑事さん、本当に、ありがとうございました」
ティックが、お礼として、彼に2000バーツを渡し、私も、丁重に挨拶して、彼を見送りました。そして、ヤマハ・フィノという、警察官が使うとは思えない、ヤワなスクーターに跨って、彼は、夜の街に消えていきました。

刑事アカラポーン。
彼がいる限り、パトビーチに、悪は蔓延らないでしょう。
彼は今日も、正義と真実を守るために戦い、犯人を追い詰め、逮捕し、そして、釈放しちゃうのである。

(ここまで書いて思いましたが、籠に入れた小鳥を売っては逃がし、逃がしては捕まえ、また売る、あの商売に似てるのかもしれません)
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by phuketbreakpoint | 2008-11-29 10:40

タイ警察を信じなさい

「ない!やっぱり、ないわ!」
営業中、スタッフのティック(仮名28歳)が、突然、慌て始めました。時刻は、午後八時を、ちょっと過ぎた頃です。
「どうしたの、いったい?」
私が尋ねると、彼女は、
「誰かが、私のカバンから、財布を抜き取ったんです」
ブレイクポイントには、社員用のロッカーはなく、スタッフは自分たちの荷物を、カウンターのわきにある、机の上に置いています。ここには、オーディオ機器や電話、プール用のキューも置かれており、従業員だけでなく、お客さんも、自由に入れるスペースになっていますから、セキュリティーの面では、安全とは言えませんが、今まで物が無くなったことは、一度もありませんでした。

「よく探してみろよ。どこかに、入ってるんじゃないか」
「ええ。何度も見ましたけど、どこにもないんです」
そして、彼女は、こう続けました。
「防犯カメラで、調べてもらえませんか?」
昨年から導入した防犯カメラは、犯罪防止用というよりも、スタッフが怠けたり、不正したりしないよう、監視するために取り付けたものですが、購入以来、一度として、画像を再生したことはありませんでした。
「うーん、どうかなあ。ここは暗いし、ちょっと、距離もあるからなあ」
カメラの性能に、いま一つ信頼を置いていなかった私でしたが、現状で頼れるものは、この機械以外にはありません。

私は、ティックを連れて、モニターが置いてある、サウスロードの二階に向かいました。
ところが、どういうわけか、先週入ったばかりの新人のクックが、呼びもしないのに一緒に付いてきて、勝手に部屋に入り込んできます。
「どうしたの?キミは、来なくてもいいよ」
「私も、カバンに入れておいた、ソーイコー(ネックレス)を、誰かに抜き取られました」
とって付けたような、彼女の言いようでしたが、
「わかった。キミのは、後で、ちゃんと探してやるから、とりあえず、ティックが先だ。キミは、お店にいろ」
私は、彼女を持ち場に戻しました。

その前日、私とラントムは、スタッフを集めてミーティングを行っていました。
「クック、新人が入ってきたとき、私は、必ず、これを言うんだけれど、やるべき作業の中で・・・」
優先すべき仕事は、何なのかを、もう一度、他のスタッフにも聞かせて、再確認していたのですが、クックは、私の顔を、きりりと反抗的な目付きで見ながら、
(なんで、そんなことを、いちいち、私に言うのよ)
と、いった様子で、相槌を打つこともなく、無反応のままでした。

ミーティングが終わり、部屋に戻ってくるなり、ラントムも、
「今日は、ちょっと、ガミガミ言い過ぎたかしら。でも、クックの顔を見ていたら、なんだか、腹がたってきて・・・」
そんなことを言っています。
「やっぱり、ママも、そう思った?そうだよなあ。いくらなんでも、あの目は、ないよなあ・・」
タイでは、虎のように鋭い目付きをした子供を見かけることもありますから、第一印象だけで、人を判断しないよう、心がけてきましたが、彼女の場合は、そういった先天的なものとは、明らかに違っているように感じました。

たとえ、相手が職場のボスであろうとも、他人の目や、言葉には、一切動ぜず、自分のやりたいようにやるタイプに思えます。そもそも、「職場」という感覚がないのかもしれませんが、ブレイクポイントのオープン以来、数は少ないですが、過去にも、そんな子は確かにいました。
こういう人は、使い物にならないだけでなく、何か問題を起こしたり、突然いなくなったりしますから、彼女には、他のスタッフに悪影響を与えないうちに、適当な理由をつけて、辞めてもらおうと思っていた矢先の事件でした。

「ところで、財布には、いくら入っていたんだい?」
「少なくないです」
変な言い方でしたから、
「1万バーツとか・・・?」
私が尋ねると、ティックは、
「もう、ちょっと・・・・。実は、6万バーツくらい入っていました」
6万バーツといえば、日本円で、約20万円です。
特別な用事も無く、普通のタイ人が、持ち歩く額ではありませんから、理由を尋ねると、
「実は、小石さん(仮名60歳)が送ってくれたんです」
と、彼女は説明しました。

小石さんというのは、一時期、彼女と付き合っていた日本人男性です。
「なんか、恋が始まりそうな気がするなあ・・・」
2年前、ティックを初めて見て、一目惚れした小石さんは、
「ボクと付き合ってくれたら、月に、・・・バーツあげるよ。お店も持たせてあげよう」
などと、モーションをかけていましたが、そんな甘言に、ティックは、あっさりと釣られてしまい、すぐに深い関係になっていったようです。しかし、小石さんは、その後、持病である糖尿病が悪化し、1年以上、プーケットを訪れることはありませんでした。
「せめてもの、罪滅ぼし(?)」
とでも思ったのか、日本円で、20万円のお金を、キャッシュで送ってきてくれたそうです。
ティックの感心なところは、そうやってもらったお金を、遊んで使ったりせず、コツコツと貯金して、田舎に送金していることでした。この日も、そうしようと思っていたようですが、土曜日だったのでそれができず、大金をカバンの中に入れて、持ち歩くことになってしまいました。

私は、防犯ビデオを巻き戻し、再生してみました。
「うーん、ちょっと、見にくいなあ・・・」
画面は、あまり鮮明とはいえませんが、辛抱して見ていると、ときどき、引っかかる場面に出くわします。
「このファラン、さっきから何度も、机に近づいてきますね。彼らが、やったんじゃないでしょうか?」
近辺でセールスをやっているファランの二人組を、怪しいと感じたのか、ティックは、そう聞いてきましたが、私は、
「そうかなあ・・・。彼らは、ここ数ヶ月、毎日のように来てるけど、いままで、一度も問題を起こしたことはないよ。よりによって、大金を持っている今日に限って、何で泥棒するのよ」
(これは、内部の犯行、もっと言えば、怪しいのは、クックだ)
喉から出掛かっていたセリフですが、証拠がない以上、それを口に出すことは、お店を守らねばならない、私の立場ではできません。
「どうして、私を疑うんですか」
と、彼女にシラを切られ、
「スタッフを疑うなんて、ひどいわ」
と、他のスタッフが同調すれば、お店の雰囲気は、いっぺんにガタガタになってしまうでしょう。

・今まで、ずっと問題はおきなかったのに、クックが入ってきたら、いきなり、こうなった。
・ティックが騒ぎ始めた後、調子を合わせるように、「自分もやられた」と言い始めた。
・入店以来、9日間、ほとんど、私と口をきいたことが無かったのに、事件発生後、なぜか、積極的に向こうから声をかけてきた。
・呼んでもいなのに、勝手に、二階に上がってきて、モニターを見ようとした。
・まだ帰る時間でもないのに、早番で上がる、サンティと一緒に、ラントムのところにやってきて、カバンの中身を自分から見せようとした。

等々、怪しげな行動は、いくらでもあったのですが、どれも犯行を立証する決め手にはなりません。
モニターには、机に近づいてくる人間が誰なのかは、はっきりと特定できるのですが、そこで何をやっているかまでは、識別することはできませんでした。
モヤモヤと揺れる画面の奥で、怪しげな場面が続いて・・・、
アダルトビデオの如く、肝心な部分が、ぼやけて見えないのです。

「ダメですね・・・・。これでは、わかりませんね・・・・」
ティックは、肩を落として、そう言いました。
「ボス、一生懸命探してくれて、ありがとうございました。もう諦めます」
彼女は、部屋を出ていこうとしますが、これで終わりというのでは、盗んだ人間を喜ばすだけです。お金を送ってくれた小石さんにも、申し訳がたちません。
「ちょっと、待って。業者さんに電話して、何かいい方法がないか、聞いてみよう」
この防犯システムを販売した業者なら、なんとかしてくれるかもしれません。

さっそく、ラントムに電話してもらいました。
「うーん・・・、画像を鮮明にする方法ですか?わからないですねえ。警察に聞いてみたらどうです。彼らなら、プロですから、いい機械を持ってるかもしれませんよ」
いい機械・・・・?
もしや・・・・・、それは・・・・、“アダルト見るなら、モザイクバスター”
雑誌の広告なんかに、よく載っている、あれのことでしょうか?
それと、業者に言われて、ようやく気づきましたが、本来なら、こういったことは、真っ先に警察に届けるべきなのでしょう。
“タイの警察は、あてにならない”
そんな先入観が、外国人の私だけでなく、タイ人のティックにもあったようで、警察に犯人を捜してもらおうだなんて、これっぽっちも、考えませんでした(失礼)。
「あのー、パトン警察でしょうか。実は・・・・」
あまり期待することなくかけた電話でしたが、ここから事件は、一気に解決に向かうのです。

この話続きます。
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by phuketbreakpoint | 2008-11-20 10:25

説得?説明?すべて無駄

「どうしたんですか、その腕は?」
半袖シャツから覗かせた両腕を傷だらけにして、長期滞在者の澤野さん(仮名75歳)が、うちに現れました。
「いや、ちょっとね・・・。猫にやられたんだ・・・・・」
「猫に?それにしても、大きな猫だったんですねえ。両腕とも、ボロボロじゃないですか」
一昨年の9月、キリスト協会で知り合ったタイ人女性と電撃結婚した澤野さんは、年齢を感じさせないエネルギッシュな行動で、いつも私を感心させていますが、話を聞けば、その前日、奥様と、お金の問題で大揉めになってしまったそうで、興奮して言い争っているうちに、哀れ澤野さんの両腕は、見るも無残な姿に変わり果ててしまったようです。
なんとか、よりを戻すことに成功した澤野さんでしたが、すぐに、また、新たな危機の火種が浮かび上がってきました。

“家族・親戚問題”
これも、タイ人と結婚した、外国人の多くが苦しむ問題ですが、家族の絆、親戚たちとの繋がりを大切にするタイでは、個人主義が横行する先進諸国から来た外国人には、理解に苦しむことが多々あります。
私自身の経験からも、はっきりと言えますが、夫婦喧嘩の原因となる金銭トラブルには、配偶者の親類・縁者が絡んでいる場合が非常に多いと感じます。
「ちょっと、お金貸してちょうだい。すぐに返すから」
これが、まったくの嘘っぱちであるのは、まだしも、返済期限がとっくに過ぎた後、遠慮がちに、こちらの方から、
「そろそろ、あの金を返してくれないか」
そんなことを言おうものなら、自分自身はもちろんのこと、通訳を務めるであろう、タイ人の奥さんや、旦那さんまで、
「もう、あんたたちとは、これっきりにしよう」
そう言い渡されてしまいます。タイ人の親戚付き合いでは、借金の取立てはタブーのようですね。

しかも、本当に、「これっきり」になってくれれば、いいのですが、何年か経って、ほとぼりが冷めると、ひょっこり顔を出して、愛想のいい笑顔を振りまきながら、
たったの10万バーツ(約30万円)でいいから、貸してちょうだい。それ以上は必要ないから。たったの10万バーツよ。
銀行から借りる?それじゃあ、利息払わないとダメでしょ」
無利子、無期限で、お金を持っていってしまおうという、虫の良い話をするために、わざわざ長距離バスに乗って、プーケットまで来ちゃうわけですね。もちろん、アポ無しなんですが(アポとるときに理由を聞かれ、その時点でアウトになることを避けたいのでしょう)、こちらがアッサリ断ると、
「トム(注、ラントムのこと)の亭主は、チャイラーイ(性格悪い)だ。わざわざ、プーケットまで、行ったのに・・・」
親戚中に、悪口を言われてしまいす。
そういう評判がたつことは、同じようなことを考えている人に対しての、抑止力にもなりますから、歓迎すべきことなんですが、こういう人に限って、また何年かすると、同じお願いで、プーケットに現れ、
「たったの20万バーツでいいから、貸してちょうだい。それ以上は必要ないから。たったの20万バーツよ」
物価の上昇分も、しっかり上乗せされているわけです。

「澤野さん、こういうことはですねえ、説明しても無駄だと思いますよ。
説得?それも無駄ですね。だいたい、タイの女性は、理論立てて説明しようと思っても、最後まで、話を聞いてくれませんもの」
私も、結婚した当初は、ちょっとしたことで意見の相違があった場合、日本的に、1で状況を、2で原因・理由を、3で結論を、喋ろうと思っていたら、最初に例え話に出した、「女」という単語で、もう彼女は引っかかっちゃって、
「なに!あなたには、女がいるのか。やっぱり、そうか!許せないわ!」
「いや、そうじゃあなくて、これは例え話で、分りやすく説明するために・・・・・」
「その女、どこにいるのよ。行きたかったら、とっとと、出ていきなさいよ」
「いや、ちがうんだって・・・。オレが言いたいのは、そういうことじゃなくて、つまりだなあ・・・・・」
「あっ!昨日の午後、外出したのは、その女の所なんだわ!」
「だから、これは、たとえ話だっつーの・・・・」
まるっきり、埒があきません。
“言いたいことは、なるべく手短に、簡潔に、単純に!”
とりあえず結論を、バーンと先にもってきて、もしも相手が聞いてくれそうな雰囲気だったら、その後に改めて補足説明をもってくる。
タイで女性と付き合っている人は、この点に注意しましょう。

15年間のタイ生活の中で、私が学んだ結論としては、「説得」も、「説明」も、通用しないタイの女性には、「お願い」という手段の方が、遥かに効果的なように思います。相手の立場を、十分尊重した上で、
「オレのために、何とかしてちょうだい」
こんな態度なら、彼女も、無碍には断れないでしょう。
しかし、ここで注意しなくてはいけないのは、相手の返事を、けっして額面どおりに受け取ってはいけないということです。タイ人は、何かをお願いされた場合、「無理」とか、「できない」というセリフは、言いたくないようですね。その場の雰囲気を壊したくないのか、断って自分が悪者になるのが嫌なのか、必ず、
「うん、わかった」
そう言ってくるはずです。タイ人同士なら、言い回しや、表情の変化などで、なんとなく、腹の裏が読めるようですが、外国人は、相手の話をそのまま受け取って、後で大騒ぎになってしまうこともありますから、注意が必要です。

大きな流れに身を任せつつ、ときどき思い出したように、
「ところで例の・・・、あの話なんだけどさあ・・・、あれ、やっぱり、無理かなあ・・・・。そうかあ・・・、やっぱり、無理か・・・」
さりげなくオールを動かしていると、忘れた頃になって、向こう岸に流れ着いていることもあるんです。
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by phuketbreakpoint | 2008-11-16 12:47