タイ・プーケット島在住。タイならではの出来事や日々の体験、個人的な思い出などを書きとめています。


by phuketbreakpoint
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6月9日土曜日、プーケット補習校の遠足が行われました。
当初の予定では、島内北西部に位置するラグーナ・リゾートを考えていましたが、前日、「念には念を」と最終下見に出かけたところ、考えていた予算の三倍近くかかることが判明したので急遽キャンセルし、方々に電話をかけ、島内を半周するように探しまわった挙句、夕方になって、ようやく、ある保護者の紹介で、ボートラグーンに決めることができました。

子供たちは、現地に着いて着替え終わるや、堪えきれない様に、プールに飛び込んでいきました。
「あー、ダメ、ダメ、ちゃんと、シャワーを浴びてから入らなきゃ」
タイの公立小学校は、プールがないところが多く、泳げない子どもも、たくさんいるくらいですから、プールの使い方なんて知りません。
しばらくすると、保護者のお父さん、お母さんたちも、プールに入って、大人も、子どもも、大騒ぎで、いつもと変わらぬ風景が見られるようになりました。

「なんとか、今年も、無事終わってくれそうですねえ」
同僚の先生と、そんな会話をしながら、ふとプールサイドに目をやると、レストラン「チェリー」のご主人・石井さん(仮名)が、着替えもしないで服を着たまま、シートに腰を下ろして、ビールを美味しそうに飲んでいました。
「石井さんは、泳がないんですか?」
「ええ、私は、こっちの方がいいですから。先生も、おひとつ、いかがですか?」
シンハビールをグラスに注いで、ご機嫌な表情です。まあ、確かに、こっちの方がいいんですが、先生が、酒飲んじゃうわけにもいきません。

前日、私が、チェリーに用事で出かけると、ご主人の石井さんが、お客さんと酒盛りしていました。それではと、私も合流してビールを飲んでいたところに、タイ人の奥さんが、ムッとした表情で戻ってきてしまいます。
「こりゃあ、まずいぞ・・・」
そう思っている先から、奥さんが、テーブルに置いてあった飲みかけのビール瓶を掴んで、石井さんの頭から、シャワーのように、ぶっ掛けてしまいました。
「あわわわ・・・、たいへんだ・・・、また、修羅場か・・・」
頭からハイネケンを浴び、上半身、びしょ濡れになった石井さんを見ていると、1978年に、ヤクルト・スワローズが初優勝したときの広岡達郎監督の姿がダブって見えてきます。

ここで、石井さんが一言でも口答えしようものなら、頭上のビール瓶が脳天に振り下ろされたと思われますが、この人の偉いところは、ただの一言も反論することなく、笑顔のまま、残っているビールを飲み続けたことです。マハトマ・ガンジーを彷彿させる非暴力、無抵抗主義といえるでしょう。
とは言うものの、一触即発には違いありません。私も、他のお客さんも、従業員も、そして、三階のゲストハウスで宿泊している女の子まで、泣きそうな表情で下に降りてきて、イザというときに備えました。

みんなの視線は、奥さんが握っているビール瓶に注がれていました。これが、石井さんの脳天に降り落とされる前に、みんなで取り押さえねばなりません。
しかし、無理に近寄ろうとして刺激すれば、大惨事が待っています。かといって、離れすぎていると、今度は間に合わず、やっぱり石井さんは、オダブツでしょう。
“ジリジリッ、ジリジリッ・・・”、
すり足で接近を試みる従業員と、それを固唾を呑んで見守るお客さんたちが、喉の奥で唾を飲み下す、ゴクリ、という音まで聞こえてきそうな緊迫感は、まるで宮本武蔵の巌流島の決闘を見ているような雰囲気さえあります。

不気味な緊張状態の中で、全員重苦しい沈黙を守っていましたが、その真ん中で石井さん一人、
「まあ、先生、ぐーっと、やってください、ぐーっと」
等と素知らぬ表情でした。
こんな状態で、「ぐーっと」やれるわけありませんから、私は、殺人現場からコソコソと逃げ出す目撃者のような心境で、
「明日も早いですから、今夜はもう・・・・」
と言い残し、この場を離れました。あの後、どうなったんでしょうか。

この日も、せっかくの遠足が台無しになってしまったら大変と、私は、慌てて奥さんの動向をプールサイドに追いましたが、笑顔で子どもたちと遊んでいる彼女の姿を見て、安心しました。この二人が仲良くやっているのを見ると、なぜだか、もの凄く世の中が平和に思え、周りの者も、幸せな気分になってくるから不思議です。
「やれやれ」
石井さんが楽しそうにお酒を飲んでいる様子を見て、私は、朝から感じていた、いつもの遠足とは、少し異なる、違和感の原因を理解しました。

補習校の遠足は、創立初年度から保護者同伴で出かけることが恒例になっていますが、これは、児童生徒の安全を考えての処置とは、まったく関係なく、子どもたちをホッぽらかして、親は親たちだけで集まり、酒を飲んで、盛り上がるための参加だったのです。
「安全対策?そんなもん、教務主任の小枝先生(当時)に、任せておけばいいんじゃ。放っておいても、子どもは、死にはせん!」
そんなノリで、ひたすら、酒、酒、酒の一日を楽しんでいました。

集合は毎回、午前9時~9時半ごろですが、みんな、やる気満々で、集合時間の三十分前には、早々と集まってきます(いつもの授業でも、こういう調子だったらいいんですが)。
そして、バスに乗り込んだ時点で、もう堪えきれず、酒盛りが始まってしまうのです。
まず、横綱格の渡さん(45歳仮名)が、ビアチャンの缶をアイスボックスから取り出し、
「プッシュー」
っという豪快な音を車内に響かせ、飲み始め、これがファンファーレになったのか、
「それじゃあ、私も」
と今度は、宇野さん(仮名38歳)が、ビアリオを、
「プッシュー」
他の人たちも、次々に、バッグから缶ビールやウイスキーを取り出し、
「プッシュー」「プッシュー」「プッシュー」
と、メドレーを奏でます。みんな、完全に宴会モードで、この日が遠足なのか、単なる飲み会なのか、さっぱりわかりません。30人もいる生徒の安全など、まったく眼中無しで、炎天下で、酒を飲み続けていました。

ところが、昨年あたりから、こういった光景は少なくなり、今年は、実に清らかな遠足になってしまいました。
学校行事の姿としては、もちろん、こちらの方が正しい姿だとは思いますが、やはり、プーケット補習校には、地域性にあった学校風土というものが、あっても良いのでは、と私は思っています。

今や、古き良き(悪き?)習慣を受け継いでいるのは、石井さん一人だけになってしまったようで、追従する者は、ほとんどいません。
伝統の継承者は現れず、このまま廃れていってしまうのでしょうか。

「だんだんプーケットも、補習校も、どこにでもあるような、つまらない場所に、なっていっちゃうんだろうなあ・・・・」
帰りの車中で、私はそんな思いを感じながら、バスに揺られていました。
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by phuketbreakpoint | 2007-06-22 09:38

ホラーな夜

タイの人々が、そして日本人を含めて東アジアの人々が、他民族、他人種と違う点は多々ありますが、メンタルな特徴としては、やはり、忍従の度合いが、その他の人たちと比べ、はるかに強いことだと思います。
イヤなこと、困ったこと、恐ろしいことに出会っても、それをなんとか解決して、生活環境を向上させようと考えるのではなく、ただ、ひたすら耐えて、耐えて、耐えまくって、じっと我慢し、周りの環境が変化するのを待つ、という習性があるように思います。
あえて勇気ある行動に走るより、じっと耐えていたほうが、好ましい結果を生むことが多い、と経験上感じているのでしょうか。


これでようやく、安らかな時間がもどってくるはずだ、そう車内の人びとが感じたのも、束の間でした。
<プルルルルル・・・・・>
5分もしないうちに、あの音が再び暗闇に戻ってきました。
さっきと、まったく同じ方向から、同じ音量で、呼び出し音も同じです。それは恐怖映画の一場面を見ているようでした。静寂は無残にも破られ、再びプルルル地獄に逆戻りです。

<プルルルル・・・・>
今や、不快感を通り越し、みな恐怖をもって、この不気味な音に対峙していました。
10分以上呼び出し音を鳴らし続け、待ちに待ったのに、相手は電話に出ない。一旦は諦めた。
ところが、この人は、再び奮い立ってしまったようで、猛然と、リダイヤル攻勢を再開させてきたのです。

いったい、何がこの人を、これほどまでに駆り立てるのでしょうか。
それほど、重大なことが起こっているのでしょうか。
誰かの命が危ないとか、大金が失くなってしまったとか、この夜行バスの行く手に、大きな危険が待ち構えているとか・・・・。
いずれにしても、異常事態発生のシグナルなのかもしれません。
だとすれば、早く電話に出なければ・・・、早く電話に出て、このシグナルを受け取らねば・・・、一刻の猶予もできないぞ!

そんなとき、また、呼び出し音が止まりました。今回も、5分以上鳴っていたと思いますが、前回に比べれば可愛いものです。
「ハロー・・・・」
中年女性の声でした。
突然、音が止まった不気味さを感じるひまもなく、今度は会話が始まりました。プルルル地獄が永遠に続くと思っていた矢先でしたから、なんか不思議な感覚です。
さんざん苦しめられましたが、これでもう、ひと安心、後は、おばさんが、とっとと電話を切ってくれれば、もう一度、至福の時間が戻ってくるでしょう。

ところが、その期待は、いとも簡単に裏切られてしまいます。
「サバイ・ディー(元気よ)・・・・・、メー・ユーナイロット(母さん、バスの中なの)・・・、本当よ・・・、もう、食事したわ・・・・、だから、バスの中だって・・・・・、バンコクに行くの・・・、本当だったら・・・・・、ええ、元気・・・・、大丈夫・・・、本当に本当よ・・・・、だから、バスの中だって言ってるでしょ・・・、わからないわ・・・・・、ええ、母さん、バスの中なの・・・・」
重大さの欠片もない、ゴミのような内容の、しょうもない会話が、繰り返し、繰り返し、延々と続いていきました。
呼び出し音に続いて、ここでも、車内全員に迷惑をかけまくる、おばさん。
しかし、本人に、まったく、その自覚はないようです。

10分以上続いた後、このおばさんは、
「じゃあ、これで切るからね。また、明日・・・・・」
やれやれ、これで、ようやく終わるのかと思っていたら、
「えっ?ウソじゃないって・・・・。母さん、バスの中なの・・・・、本当だったら・・・・・・・・」
再び同じ会話が蒸し返され、振り出しに戻ってしまいます。

呼び出し音が延々と鳴っていた時点で想像はつきましたが、この電話を掛けている人は、異常な性格の持ち主であることは間違いないようです。
私の心の平静を乱し、大勢の人々を散々苦しめ続けた呼び出し音と、間抜けな会話が終ったのは、最初に電話が鳴り始めたときから計算すれば、軽く30分は越えていたでしょう。

真夜中の車内に、ようやく平和が戻ってきました。
「やれやれ、やっと終わったか・・・・」
本当にひどい目に会ったものです。
過ぎたことは仕方ありません。すっかり、頭に血が上って、しばらくは眠れそうもありませんが、明日は、商品の仕入れで、一日中動き回らねばなりません。目を閉じて、体だけでも休ませておいたほうがよさそうです。
真っ暗闇の田舎道を、夜行バスは快調に飛ばしていきました。
ところが・・・・・・。

<プルルルル・・・・・・・・・・・・・・>
静寂を引き裂くように、再び、あの呼び出し音が聞こえてきました。
「ひえーえええ・・・!まっ、まただあー!」
今度こそ眠れると思って目を閉じていた私の耳に、先程とまったく同じ方角から恐怖の音が流れてきました。
凍りつくような車内。
<プルルルル・・・・・・・・・・・>
不気味な呼び出し音は、車内を震撼させ、もう身動きする人もいません。完全にオカルト状態です。また、地獄が再開されるのでしょうか。
約1分後、おばさんは電話を取って、話し始めました。
「本当よ・・・・、母さんバスの中なのよ・・・・、チンチン(本当よ)・・・・・・・・」
呆れるほど変化のない内容の会話がバス内に広がり、私の脳内で渦巻いていました。

私は、いよいよもって腹を立て、爆発寸前です。このおばさんに対しては、もちろん、誰も怒り出さない、その事実に対しても、完全に頭にきていました。耐え続ける以外のことを、やろうとしないタイ人に、怒りの目は向けられていたのです。
「我慢するのも、いい加減にしろよ。ここまでやられて、どうして怒らないんだ、タイ人!?」
そう言いたくなりましたが、私自身も、自ら率先して行動に移ろうと思う気持ちはありませんでした。もし、タイ人の誰かが口火を切ってくれるなら、もちろん、加勢して助太刀しようとは思いましたが、タイの人が我慢している状況で、外国人の私が真っ先に秩序を乱す勇気はありません。私も、すっかり、タイ人化してしまったのでしょうか。
不毛な会話が真っ暗な車内で数分間流れていましたが、私は次第に怒る気力すら無くしていました。
「驚愕の・・・・」
という表現は、映画の宣伝などでよく使われますが、タイ人の辛抱強さは、常識の限界を遙かに超えたものでした。

「決して、タイ人を怒らせるな」
彼らは、めったに怒ったりはしないけど、ひとたび怒り出したら、何でもやってしまいますよ。
タイで長期滞在している人も、しようと思っている人も、このことを、肝に命じておくべきだと思います。
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by phuketbreakpoint | 2007-06-09 23:03
その日、私は、プーケット発バンコク行きの夜行バスに揺られていました。
夜行バスの車内というのは、やることのない退屈な場所だと、思われるかもしれませんが、私にとっては、それほど居心地の悪い空間ではありません。
雑用に追われる日常から逃れ、誰にも邪魔されることのない車内で、静かに物思いに耽ることができますから、いつもは落ち着いて考えることができないような問題でも、ふと良いアイデアが浮かんできたりすることもあります。

そのうちに、いつの間にやら眠ってしまいますが、熟睡というわけではなく、かと言って、それほど浅い眠りでもなく、寝ては覚め、覚めては眠る、この繰り返しが、何とも、たまりません。掛けがえのない至福の時間とも、言えるでしょう。この日も、私は、リクライニングシートに体を預け、まどろんでいました。

車内灯も消され、周りの人たちも、みな眠りについていた真夜中、
<プルルルルル・・・・>
私の後方4、5列の辺りで、携帯電話の呼び出し音が鳴り始めました。深夜零時を、少し回った頃だったと思います。
タイでは、まだ、公共の場所で、携帯の使用を控えるマナーが浸透しておらず、長距離バスの車内や、映画館の中でも、平気で電話をする人を見かけます。
何年か前にも、こんな経験をしました。

やはり、夜行バスに乗ってバンコクに向かおうとしていた私は、バスが動き出したので、携帯電話のスイッチを切りました。それを見て、慌てて隣の人も、ポケットから携帯を取り出して、スイッチを操作しています。
「この人も、電源切るのを忘れていたのか・・・・」
そう思いましたが、10分も経たないうちに、この人の携帯が鳴り始め、男性は楽しそうに会話を始めました。どうも、先程の行為は、電源を切り忘れていたのではなく、入れ忘れていたから、わざわざ車内で付け直していたようです。

<プルルルル・・・・・・・>
後方席の呼び出し音は、5回、6回、7回・・・・と、鳴り続けますが、誰も電話にでません。携帯の主は、熟睡しているのでしょうか。
「・・・・早く・・・、電話に、出てくれないかなあ・・・・」
まどろみの中で、私は、そう願いました。
<プルルルルル・・・・・>
2分、3分と時間は流れていきますが、一向に音は鳴り止みません。
ここらあたりから、周りの人たちも、ガサガサし始めました。呼び出し音の発信源である携帯電話は、どこで鳴り、持ち主は、いったい何をしているんだろうと、みな考えていたでしょう。

ところが、タイ人のリアクションは、その程度が限界のようで、決して、それ以上の行動には移ろうとしません。
「そのうちに、持ち主が気づいて、音を止めてくれるだろう」
私も含めて、みんなの考えは同じだったと思います。いや、持ち主本人が気が付かなくても、周りの誰かが、きっと、この苦痛から開放してくれる。そう信じていました。
ところが、この期待は、無残にも引き裂かれてしまいます。

<プルルルルル・・・・>
誰かが開放してくれるどころか、4分、5分、6分と音は鳴り続けますが、誰も何もしません。
たかだか、小さな呼び出し音が鳴っているだけなのに、どうして、これ程までに苦しみを感じるのか不思議なくらい、私は、イライラしてきました。
携帯の持ち主が熟睡しているのは間違いありませんが、隣に座っている人は、一体、何をやっているのでしょうか。どうして、起こしてやろうとしないのか、それとも、この人も、また、熟睡しているのでしょうか?

そんなことを考えているうちに、呼び出し音は、7分、8分、9分・・・と鳴り続け、まどろみも、心地よさも、完全に吹っ飛び、もう至福の時間どころではありません。
それにしても、疑問に思ったのは、タイ人の反応です。こんなに酷い迷惑を受けているにも関わらず、
「まあ、世の中には、こんなこともあるだろう」
と、いうくらいの感覚しかないのでしょうか。不思議に思った私ですが、右斜め前の席に座る若いお兄ちゃんが、遠慮がちに、「チッ、チッ」と何度も口内で舌を鳴らし、小さく不満を表明しているのを聞いて、少し安心しました。
日本人なら、2分もしないうちに、
「誰ですか、早く電話を取ってください」
と、大声で注意したり、
「おい、いいかげんにしろ。周りにいる奴、誰か起こしてやれ!」
と、周囲の者まで怒られてしまうことでしょう。

しかし、他人との摩擦や、軋轢を嫌うタイ社会の中で、それをやるのは、勇気がいることのようです。タイの人は、大勢の人が我慢している状況で、自分だけが突出し、行動に移ることなどできません。
「問題を解決したいのはやまやまなんだけど、それを、自分でやるのは、ちょっと・・・・」
みんな、そう思っているのでしょう。

それにしても、この電話を発信している人も、いったい何を考えているのでしょうか。
時間は深夜です。普通、1分も待って相手がでなければ、そこで電話を切るのがマナーのはずです。少なくとも、日本国ならそうでしょう。いくら、ムートゥー(手に持っている、の意で、携帯電話の略称)だからといって、電話に出られないときだって、あるわけですから・・・・。特に、深夜の場合は、いろいろあるわけですよ、ああゆうこととか、こういうこととかが・・・。

しかし、この人は、相手が電話に出るまでは、1時間でも、2時間でも、ずっと待ち続けてやるぞと、強く決意を固めているようで、いっこうに諦めません。
<プルルルルル・・・・>
10分、11分、12分・・・・。
もう、ここまでくると諦めムードが広がっていきます。私は、周りを見渡してみましたが、みな疲れ果ててしまったのか、ゴソゴソ、ソワソワも、すでに無くなっていました。
さきほど口で、「チッ、チッ」と不満を表していたお兄ちゃんも、諦めてしまったようで、沈黙しています。

「こうなったら、開き直って、朝まで鳴らしとくか。そのうち、この音にも慣れて、また、眠くなるかもしれない」
15分以上経過し、そんな悟りの境地に達しかけたとき、突然、呼び出し音が止まりました。
「早く、鳴り止んでくれ!」
と、思っていた呼び出し音ですが、何の前触れもなく(当たり前なんですが)、鳴り止んでしまうと、ちょっと不気味な感じがします。

「やれやれ・・・」
これでまた、まどろみの世界に戻ることができるはずです。みんなのホッとした溜息が聞こえてくるように、車内に静寂が蘇りました。
ところが・・・。


この話続きます。
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by phuketbreakpoint | 2007-06-01 13:01