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タイ・プーケット島在住。タイならではの出来事や日々の体験、個人的な思い出などを書きとめています。


by phuketbreakpoint
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今年も来ましたJCC

「西岡さん?今年も、バンコクから商工会(JCC)が来ますから、学校案内と親睦会への出席、よろしくお願いします」
土曜日の夜、日本人会・会長の松本さん(仮名)から電話が入ってきました。

松下さんの話を要約すると、今回の私の使命は、以下の3点です。
1.JCCからプーケット補習校が受けている年間30万バーツの資金援助を、今年も継続してもらう。
2.昨年JCCから頂いたスクールバスのお礼と、現在の運用実績について説明する。
3.補習校の現状、および将来像を、JCCの教育部会メンバーに説明する。
「くわしいことは、山口さんから聞いてください。じゃあ、よろしく頼みますよ」
松本さんは、それだけ言うと、完成したばかりのボートに乗って、マラッカ海峡に旅立っていきました。

津波の後、補習校と日本人会は、様々な団体から資金援助を受けていますが、その中でも、バンコク日本人商工会議所、つまりJCCは、特別な存在だと言えるでしょう。
JCCのおかげでプーケット補習校にも、エアコンが設置され、コピー機が導入され、新校舎建設基金には、100万バーツちかいお金を積み立てることができました。
まさに、大スポンサー様です。

6月24日、日曜日、午後。
私は、まずタウンにある補習校校舎に向かいました。前日、生徒たちと一緒に、普段より時間をかけて入念に掃除しましたが、月曜日に予定されるJCC一行の補習校視察を前に、もう一度、最終確認したほうがよいと考えたからです。

階段を上っていくと、補習校事務局入り口の真ん前に、<JCCのみなさん、ありがとう>の黄色いパネルがゴロンと転がっていました。昨日、両面テープでくっ付けたはずですが、剥がれてしまったようですね。
三階に上がり、各教室を確認すると、今度は、床一面に、パラパラっと白い紙が散乱しています。昨日、あれだけきれいに掃除したのですから、ゴミが落ちているわけはありません。よく見ると、一枚に一字、習字で大きく書かれた、「スクール・バスありがとう」の歓迎文が剥がれ落ち、「ス」「ー」「バ」「あ」「が」「う」しか、残っていませんでした。

隣の教室でも、昨日付けておいた遠足の作文集のポスターが、床に寝転んでいました。
「こら、大変だ。付け直さないと・・・。セロテープじゃ、また剥がれちゃうから・・・、ガムテープ、ガムテープ・・・・、どこいっちゃったのかなあ・・・・」
そんなことをやっているうちに、どんどん時間は流れていきます。
気がつくと時計は、もう午後4時50分で、会合予定時刻が5時半ですから、そろそろ、JCC一行が泊まるモーベンビックリゾートに移動せねばなりません。

「仕方ない。続きは、明朝だ」
電気、エアコン、扇風機のスイッチを全教室確認し、戸締りして車に乗ったら、5時になってしまいました。
「急がないと、本当に間に合わんぞ」
この後行なわれる教育部会との会合は、プーケット補習校の今後の学校運営にとって、非常に重要ですから、遅れていたのでは話になりません。

エンジンを掛け、アクセルを踏み込み、私は、勢いよく車を発進させました。
とにかく、急がねばなりません。
「急げ、急げ・・・、何をやってるんだ前の車は・・・・。ええいッ、こうなったら追い越しだ、おらヨッと!」
「おっと待てよ、ここで曲がったほうが近道だぞ。ちょっと危ないけど、ホリャどうじゃ!」
「赤になっちゃったけど、構わん。30万バーツのためなら、行っちゃえ、行っちゃえ!」
「とにかく、急げッ!どんどん、飛ばすぞ、飛ばしまくるぞ!おらおらおらおら・・!」

僅か30分ほどの道のりで、追い越し禁止違反、車線変更禁止違反、信号無視、制限速度違反、一時停止違反など、数限りない危険行為、破れる限りの道路交通法違反を繰り返し、私は、飛ばしに飛ばし、急ぎに急ぎました。曲がりなりにも、学校の先生が、こんなことでいいんでしょうか。
カロン・ビーチ・モーベンビックリゾートの駐車場に滑り込んだとき、時計の針は、きっかり、5時30分を指していました。

はたして会場は、どこなんでしょうか・・・・!?
出発直前までかけて作成した資料を片手に、どこにあるかも分からない会場に向かって全力疾走しようとしているときでした。
タイムリーに、日本人会の会計で、この後、一緒に会合に出る予定の正美さんが旦那さんに送られてやってきました。
「あら、西岡さん、慌てなくてもいいみたいですよ。JCCの理事会、ちょっと遅れてるみたいですから」
・・・だったら、早く連絡してください。山のように積み重ねてしまった罪の数々を、どうしてくれるんですか!

1時間以上待って、私たちは、ようやく、会場の個室に案内されました。
まず、山口さんが、私が作った資料を基に、教育部会の方たちに説明していきます。それに対して、JCCの教育部会長さんが支援金の利用計画や、今後の補習校運営方針を問いただしてきました。
さあ、私の出番です。今日、喋らねばならないことは、冒頭に書いたミッション三原則ですが、実は、本当に言いたいことは、他にありました。

1.今年度は補習校として、設備投資や、大きな備品類の購入は考えていない。いただける支援金全額を来るべき補習校の新校舎建設のために、プールしようと考えている。
2.学校として、あるいは校長として、今、最も力を入れているのは、授業内容の充実である。新校舎に相応しいレベルの高い授業を実現したい。
3.そのためには、質の高い教師を揃えねばならない。それには、やはり、ある程度のお金が必要になる。外務省から頂いている講師謝金の増額は、どうすれば実現できるか、知恵を貸して欲しい。
私は、これだけは絶対に、今日喋ってやろうと考えていた3点を、予定通り教育部会の方々にお聞かせすることができたので、肩の荷を降ろすことができました。

教育部会との会談を済ませた私たちは、すぐに親睦会場に案内されました。
メインディッシュは、なんと神戸牛のステーキとローストです。神戸牛なんて食べたのは、何年ぶりでしょうか?しかも、用意されたお酒は、シーバスリーガルです。
朝からバタバタして、ろくなものを食べていませんでしたが、俄然、元気が出てきました。
さっそく、ウエイターのお兄さんをつかまえて、
「シーバスも、肉も、じゃんじゃん持ってきてちょうだい。肉は、1人1人前だけだって・・・?まあ、いいや。じゃあ、シーバス、じゃんじゃん、もってきて!」
グラス片手に、ご機嫌な表情でウイスキーを飲み続けていたのですが・・・・。

この話続きます。
by phuketbreakpoint | 2007-07-01 08:00