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タイ・プーケット島在住。タイならではの出来事や日々の体験、個人的な思い出などを書きとめています。


by phuketbreakpoint
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ネチネチいくぞ!

ボロ負けです。
わずか6分間で、「あっ!」、という間もなく、3失点。これでは、ジーコ監督の必殺技を出すヒマもありません。
しかも、オーストラリアのヒディング監督が、
「この勝利を、韓国のファンに捧げる」
なんて言っているんですか?
その発言、絶対に許せません。目にもの見せてくれるは・・・。オーストラリアは、絶対に決勝トーナメントには行かさないぞ!
こうなったら、次のクロアチア戦を、イヤがらせで、0-10で負けてやる
どうだ、まいったか、ざまあみろ!
日本をナメていたら、こういう目に会うのだ!!ワハハハハ・・・・!!!

今を去ること3年前の、2004年7月31日。
この日は、サッカー・アジアカップ準々決勝、日本対ヨルダンの1戦が行なわれました。
試合開始約15分前、アラブ系のカップルが入店してくるや、テレビの真正面にあるカウンター席に腰を下ろし、チャンネルをサッカーに替えるように、スタッフに言ってきました。
「サッカーですか?今夜は、アジアカップやってますね。プーケットは、初めてなんですか?」
近くにいた私は、ニコやかに、この2人と話し始めます。ここらあたりまでは、ごくごく普通の、客とお店の主人の会話だったと思いますが、
「どこから来たんですか?」
という、私の不用意な一言によって、話は、しだいに変な方向に向かっていってしまいました。

「ウイアーフロム・ヨルダン」
2人の返答に、「あちゃー・・・」と、思っていたら、彼らは、私の顔を、マジマジと眺めたあと、こう続けました。
「アーユー・フロム・タイ?」
私の顔がタイ人には見えなかったようですが、「タイ人か?」と聞かれてしまったら、「そうだ」と答えるわけにもいかず、私は、正直に、自分が日本人であることを伝えました。
私の答えを聞いて、彼らは、「やっぱりそうか」という表情をしながら、大きくうなずいていましたが、そのとき、キラっと目が光ったような気がしたのは、私の思い過ごしでしょうか。

店内が忙しくなってきたこともあって、私は、サッカーのテレビ中継を見ることもなく、各テーブルを回っていました。
いつの間にやら、試合は始まっていたようですが、わずか11分で、ヨルダンの先制です。手を叩いて、大喜びするヨルダン・ペア。男性が私に向かって、すかさず、Vサインを送ってきます。
ムカッ、ときましたが、こういうのを相手にしていると喧嘩になってしまいますから、その後は、極力無関心を装い、テレビに目を向けないようにしていました。

その3分後です。
「あーあ・・・」
ガッカリした2人の声につられて、画面に目をやると、どうやら、日本の同点ゴールが決まったようです。しめしめ・・・、と思いながらも、私は、やはり、無関心を装い続けました。
その後も、ヨルダンがチャンスになる度に、「よし行けー!」と、2人の大声が店内に響き、それが、その後、「あーあ」という大きなため息に代わります。2人が、しーんと、静まり返っているときは、日本が攻め込んでいる時間なのでしょう。テレビを見ていないのに、2人の反応を聞いているだけで、私には、試合の流れが手にとるようにわかりました。

試合は、1-1のまま後半に入り、決め手のないまま、タイムアップして、延長戦に。
ここでも、「それ行けー」と、「あーあ・・・」と、「しーん」が繰り返されているうちに、再びタイムアップで、今度はPK戦になりました。
ここまできたのなら、何が何でも日本に勝ってもらいたかった私ですが、2人も、かなり頭に血が上ってきていますから、
「私は、サッカーなんか興味ないんですよー。どっちが勝っても、いちいち、私に振ってこないでねー」
という表情を改めて作り直して、仕事を続けました。

その2分後です。
「ワーっ、やったぞー!」
という歓声と共に、男性は再び、Vサインを私に送ってきました。どうも、日本の1人目が外してしまったようです。
その後、しばらくしてまた、「ワーっ」と大声が聞こえてきました。これは、ヨルダン1人目成功ということなのでしょう。
そして、その1分後、この日、一番大きな歓声が私の耳に入ってきました。日本は、2人目も失敗してしまったようです。他のテーブルで見ている白人ツーリストまで、ヨルダンの応援にまわっているようで、店内は大騒ぎでした。2人とも、もう勝ったように大喜びしています。
私も、このときは観念しました。
「C国のファンに、やじり倒された上に、PK負けか・・・・」
しかし、その間にも、我らがジーコ監督は、ひるむことなく、南米特有の粘っこいキャラをフル稼働させ、主審に、ネチネチとクレームをつけていたようで、ゴールを、反対側に代えさせていました。
さすが、因縁の神様・・・じゃなかった、サッカーの神様だ!

これが効いたのか、「ワーっ!」ばっかりだった店内は、その後、「ワーっ」と、「しーん」が半々になり、そのうち、「しーん」ばっかりになって、最後は、お通夜みたいな雰囲気になっていました。
私が恐る恐る、テレビを見ると、日本チームが、ジーコ監督と抱き合って大喜びしています。日本の逆転勝ちです。
やっぱり、こういう修羅場になったら、強面で、ドスの効いたジーコさんの存在感が光りまくっています。日本が勝って、大バンザイ!本当によかった!
「ヨルダンの皆さんも、気を落とさずに・・・・・」
と思いながら2人に目をやると、この男性は、勘定を払うだんになって、キャッシャーの女の子相手に、いきなり、「ジーコ監督」になっていました。

「どうして、カードが使えないんだ、ネチネチネチネチ・・・・」
「入る前に、店頭にいる女が、使えるって、言ってたぞ、ネチネチネチネチ・・・・」
「カードが使えないんだったら、ディスカウントしろ、ネチネチネチネチ・・・・・」
この男性は、キャッシャーの女の子相手に、10分くらいネチネチやった挙句、私を呼んで、更にまたネチネチやっていましたが、とうとう諦めて、お金を払って帰っていきました。まさか、アジアカップくらいで、あんなにネチネチやられるとは思ってもいませんでした。

しかし、このネチネチですが、けっこう外国人、特にインド人、アラブ人、イタリア人は使ってきますね。それに、効果も、確かにあるようです。
オーストラリア戦では、ネチネチやるヒマもなく、まさかの大逆転で、神様も、お手上げといったところですが、たかだか、サッカーなんですから、気を落とすことはありません。ワールドカップが終わったら、ジーコさんには、もっと大きなポストを与えて、その特技を、大いに役立ててもらいたいものです。

ズバリ、日本国ジーコ外務大臣
あっ!K国が、独島は絶対に渡さん、と血走っています。どうしましょう。
さあ、ジーコ外相お願いします。
「ネチネチネチネチ・・・・・」
ああ、K国の掃海艇が、もうウンザリ、といった表情で帰っていくぞ!
おっ!今度はC国が、靖国参拝けしからん!と、しつっこく、クレームをつけています。
しかし、大丈夫です。しつっこさなら負けません。ジーコ外相、バーンとカマシてやってください。
「ネチネチネチネチネチ・・・・・・・」
おお、あのしつっこい人たちが、ゲンナリといった顔つきで、黙ってしまいました。さすがジーコ外相だ!

さあ、みなさんも、何かトラブルがあっても 平常心でいきましょう。
「ネチネチネチネチネチネチ・・・・・」
いつでも どこでも みんなで、さあ、
ネチネチネチネチネチネチネチネチネチネチネチネチ・・・・・・・・・・・・・・・・・
by phuketbreakpoint | 2006-06-13 12:21