タイ・プーケット島在住。タイならではの出来事や日々の体験、個人的な思い出などを書きとめています。


by phuketbreakpoint
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世界の現実 わたしの理想

流暢な英語です。ネイティブスピーカーですね。
この時期は、オーストラリアやニュージーランドのオセアニア系観光客はほとんどいませんから、彼らは英国からの旅行者(米国は年間を通して、ほとんどいません)だろうと早合点した私は、
「アーユー・フロム・イングランド?」と話しかけました。
ところが、この人は間髪いれず、こう言い返してきたのです。
「No! アイム・フロム・ウェールズ」
「えっ!?ウェールズって、イングランドの一部じゃないんですか?」と、私は更なる失言を犯しそうになりましたが、言わなくて本当によかったと思います。
日本では、世界地図の一番左端の小さな島の真ん中に、カタカナでイギリスと入っているだけですから、連合王国=イギリス=イングランドという単純な図式が私の頭にあったのでしょう。
「ウェールズも、イングランドも、おんなじようなモンじゃねえか」とも思いましたが、確かに外国に行って外国人から、「お前は大阪人だろ」と言われれば、ムカッとくるかもしれません。彼らにとっては、それ以上の大きな違いがあるようですね。

12月、1月、2月のハイシーズンの間、ブレイクポイントの店頭テーブルは、いつも白人のお客さんでギッシリ埋まり、ヨーロッパから来たお年よりがビール片手にワイワイと、楽しそうにグループを作って話し込んでいます。イタリア、ドイツ、スウェーデンの3カ国が特に多いのですが、イタリアとドイツは何故だか、お互いに相容れないものがあるようで、どうして戦争中は同盟を組めたのか不思議なくらいです。
白人でギッシリというこの状況も、テーブルとテーブルの間には、こういった見えない国境線が無数に張り巡らされているような気がします。これに気づかず、迂闊に言葉を誤ったりすると、とたんに白けたムードになってしまいますから注意しなければなりません。

私は相手の国籍が分かっている場合は、その国の言葉を知っている限りつなぎ合わせ、何とか相手に気持ちだけは伝わるようにしています。
「セニョール、セニョリータ、マドリード、コモエスタアカサカ・・・」
これでは、単なる危ないオヤジのようにも聞こえますが、私なりに必死なんです。プーケットで観光客相手に商売を張る以上、最初の挨拶「こんにちは」や最後の「ありがとうございました」、これくらいは最低でも、その人の国の言葉に合わせるべきだと思っています。「喋れないんですけど、喋りたいんですよ、私は・・」と誠意だけは、相手に伝えようと思っているのです。

かつて日本では、よくこんなことが言われていました。
「フランス人は、プライドが高くてダメだ。英語で話しかけても、無視するから」。私も長い間、「そんなもんかなあ・・・」と思っていましたが、やっぱりこれって、ずい分失礼な話だと思います。普段、フランス語で生活している人をつかまえて、「お前たちも、イギリスの言葉くらい喋れよ」と平気な顔で言っているわけですから。フレンチドレッシングでサラダを食べようとしている人の口に、日本人なら99%、「まずい」と言うであろうイングリッシュソーセージ(私は好きなんですが)をぶち込むような話です。顔や姿が似ている、という理由だけで、どこかの白人が私に、「中国語も喋れないのかよ」と言ってきたのなら、確実に喧嘩になるでしょう。だから、私は何時も、いかなる場合でも、相手の顔や言葉をよく注意して見極め、用心深く話しかける必要があるわけです。

白人リゾートという性格が強いプーケットで飲食店を営業する以上、白人客を取っていかないことには、経営はなかなか安定しません。信念といえば大袈裟ですが、開店以来、いや開店する前から、私は常に、それを意識してきました。では、白人客を取っていくには、どうしたらいいのでしょうか。当たり前の話ですが、それにはまず、
「白人の集まる場所でなければならない」と思います。これは裏を返せば、
白人以外が集まる場所であってはならない」と言い換えることもできるでしょう。この場合の白人以外とは、具体的にはインド人、アラブ人、黒人を指すようで、東洋系の場合は、それに比べると、白人たちにとっては遥かに軽い存在のようですが、それでも、店内の比率が50パーセントを超えてはいけないように感じます。

ブレイクポイントを始めて、すぐに気がついたことがありました。
彼ら白人観光客は、黒人、アラブ人、インド人が多数を占めているお店では、できることなら食事をしたくないと思っているようですね。こんなことがありました。
あるお昼時、ブレイクポイントの店内で、白人の老夫婦が1組、食事を摂っていました。そこへ、アラブ人のお兄ちゃん4人組みが、プールテーブルで遊ぶために店の中に入ってきました。すると、この老夫婦は、お互いに顔を見合わせ、何か喋ったあと、席を外の店頭テーブルに移してしまったのです。こんなことが何回かありました。

アラブ人の中には、自分たちで持ってきたアラビックソングのCDを、ここでかけていいか、と聞いてくる人がいます。論外ですね。そんなものを、かけようものなら、白人客が全員いなくなっちゃうのは確実です。
「すいません。当店は開店以来、イングリッシュソング以外、かけないことにしているんです」
普段、日中はタイ音楽のCDばかりかけているにもかかわらず、私は、これをヤンワリとお断りするわけです。恐らく、店内に20-30%以上のアラブ人、インド人、黒人がいるお店は、近い将来、その比率が100%になってしまうことを覚悟する必要があるでしょう。実際、バンコクには、そういうお店がいくつかあります。

大勢の白人客に混じって、黒人やアラブ人が食事をとっている。これは問題ありません。
しかし、夕食時、最初にお店に入ってくるお客さんは、出来ることなら、この3人種でない方が営業的には、明らかにベターだ、というのは真実だと思います(注、プーケットの場合)。世界中で人種差別が槍玉にあげられる世の中ですが、やはり本音と建前は違うようですね。いや、これは、差別という次元の話ではないのかもしれません。もっと、根本的な何かがあるのでしょう。

それでは、白人客以外はいらないのかといえば、そうとも限りません。白人観光客は、滞在日数が長く、1日当たりに使えるお金は余り多くはありません。客単価を考えた場合、同じ魚なら、出来るだけ大きなヤツを採りたいと考えるのは当然ですね。
その点、日本人は、大きな魚といえますし、ヨーロピアンからアジア扱いされているロシア人も「大物」と言えるでしょう。彼らは、生ビールを水差しに入れさせ(注、大ジョッキがない)、スコッチウイスキーをビールのようにガブ飲みし、牛肉を貪り食い、シーフードにも目がなく、それよりも何よりも、物凄くお金を持っているようで金遣いが荒く、ピカピカの金髪美女を侍らせて、豪快に飲んで、食べて、お金を置いていってくれるのです。風貌は、とてもマフィアな人達で、英語もほとんど通じず、困ることもありますが、金には換えられません。

私が頭の中で思い描く、理想的な客層配分は、以下のとおりです。
客全体の中で白人が70-80%、他の人種が20-30%、1つのナショナリティーが30%を超えてはならず、黒人、インド人、アラブ人の合計は、可能な限り少ない方がいい。出来ることならロシア人は、20%くらいは欲しい。展開的にはこんな感じです。
まず、午後5時50分頃、常連の白人客が3-4テーブル店頭テーブルに入ります。釣られるように、他の白人客がこれに続き入店してきます。ここで店頭テーブルが、ほぼ埋まったところで、のっし、のっしと歩いてくるのは、見るからに酒の強そうなロシア人6-7人のグループ。店内のテーブルにどっかりと腰をすえ、いきなりジョニ黒をボトルでオーダーし、ガンガン飲みながら、ステーキやエビを次々と平らげていきます。
続いて日本人客が数組、やはり店内のテーブルに陣取り、ロシアと睨み合い。どっちが金をいっぱい使うか、さあ競争だ!日露戦争勃発か?
この戦争、どんどん泥沼化してくれれば、売り上げ倍増です(死の商人?)。そして、忙しさのピークが過ぎた頃、キャピ系の日本人ギャルがカウンターでカクテルを飲み始め、お話しようと近づいていった私は、後ろから女房に思いっきりはたかれる・・・。
こういう展開が理想的なんですが・・・。

さて、今夜はどんなことになるでしょうか。
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by phuketbreakpoint | 2006-02-05 19:21